松江のバイト看護師
私が働いている外科病棟には、末期がんの患者さんが沢山入院しています。
その為、病棟内はシビアな環境です。
入院している患者さんに、乳癌から骨転移した患者さんがいます。
通常、癌が発見されて、その病が進行して、骨に転移してしまう、というのが一般的です。
しかし、その患者さんは、先に骨転移に気がつき、それから乳癌が発見されました。
その方は、まだ50代です。
生まれたばかりのお孫さんもいる、まだまだ若い方です。
その方は、腰椎ヘルニアのような症状から異常がで始めて、転倒して骨折した事で骨転移が発見されました。
元々の癌の病巣が小さいのに、骨転移の進行が早くなったなんて、そのようなケースもあるのかと思い、
怖くなりました。
その患者さんは、暖かい家族に囲まれている方で、お嬢様やお孫さんなど、常に家族がお見舞いに訪れています。
でも、お孫さんを抱っこしたくても、身体の痛みが酷くて、それができません。
歩く事も困難なので、寝たきりの状態なんです。
骨に転移していますから、歩く事で足の骨を骨折してしまうんです。
まだ50代と若い方なので、身の回りの事を自分でやりたいと仰っているんですが、なかなかそれは難しい事です。
高齢者の患者さんが一人で歩いているところを見ると、とても辛そうにしています。
トイレに行く事はできませんから、排泄はベッドの上で行います。
恥ずかしいという思いがありますし、寝たままで排便をするのはとても大変な事です。
患者さんの夢は、一人でトイレに行く事なんです。
しかし、それを叶えてあげる事ができないので、とても辛いです。
そのような状態でも、その方はいつも笑顔を絶やさないで、私達看護師に声をかけてくれるんです。
私は、その患者さんの事を尊敬しています。
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